ラトヴィア

最終更新日 2001/10/20

バルト三国の真ん中にある国。直行便もないし、行くのが簡単ではないのだが、それを補って余りあるほど旅行先として魅力的だと思う。

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国について

国の概要

国の概要
国名LATVIJAS REPUBLIKA、ラトヴィア共和国、Republic of Latvia(英語)
国土西側は平坦、東側は丘陵。西にバルト海、北にエストニア、東にロシアとベラルーシ、南にリトアニアに接する。
気候バルト海沿岸部はCfb、内陸部はDfb
人口約243万人(1998)、ただし「市民」は約177万人(1998)
民族ラトヴィア人57%、ロシア人30%、ベラルーシ人4%など。
ソ連時代の影響でロシア人が増え、都市によってはラトヴィア人が少数派になってしまっているため、戦前から居住者等以外は、語学と歴史の試験にパスしないと市民になれないという仕組みになっているらしい。
宗教プロテスタントが主流
首都RIGA(Iは上に横棒)、リーガ、RIGA(英語)、RYGA(リトアニア語)
経済状況一人当たりGDP3,421ドル(1996)
時間東ヨーロッパ時間(GMT+2)、ただし夏はサマータイムで1時間繰り上がる。
リトアニアと1時間の時差がある
国番号371
観光客9.5万人(1995)

言語

インド・ヨーロッパ語族バルト・スラブ語派のラトヴィア語。リトアニア語に近いそうだ。

英語は、ホテル、レストランでは通じた。英語のメニューが出てこなかったことはなかった。その場の誰かは話せる人がいる、程度。英語で話してもむなしいこともあるので、簡単でもいいので素直にラトヴィア語にチャレンジしたほうがよいようだ。あと、リトアニアと比較して、かなりロシア語が町に目立つ。多くの表示が、ラトヴィア語とロシア語で示されている。

ラトヴィア語(正確ではないかも知れないが通じたもの)
ありがとうPaldiesパルディエス
こんにちはLabdienラブディエン
お願いしますLudzu ここでuは上に横棒ルーズ
切符Bileteビレテ
ビールAlusアルス
合計Kopa(aは上に横棒)、またはNaudaどちらが合計なのかよくわからない。領収書には、Kopaとのみ示されている場合もあれば、Kopa、Naudaと並べて書いてあることもある。
トイレはどこ?Kur tualete?クール・トゥアレテ?
TallinnTallinaエストニアの首都

通貨

ラット(Lat,Ls)、補助通貨単位(1/100)がサンティミ?(santimi ここでtの次のiは上に横棒)

両替レート
日付場所レート
1999/7/30バスターミナル1$=0.586Ls
1999/7/30旧市街1Lt=0.146Ls
1999/8/1旧市街1$=0.585Ls

日本では両替できない。日本円も全ての両替所で扱っているわけではなく、レートも悪いようなので、US$かドイツマルクの現金を持っていくのがよいようだ。クレジットカードも使える。

ビザ

1999年時点ではビザが必要だった。しかし、日本にはラトヴィア大使館がない。空港では入手できるらしいが、陸路から入国するためには、外国のラトヴィア大使館でヴィザを取得する必要があった。私はViliniusのラトヴィア大使館で取得した。2000年夏現在では、ビザ無しで渡航できるようになっているようだ。

関連リンク

バルト三国は情報が少ないが、その中でもラトヴィアは特に情報が少なくて大変だが、以下のリンクが役に立つ。

RIGA IN YOUR POCKET

もはやバルト三国旅行の定番となりつつあるガイドのWebサイト。冊子のものは0.60LsでRIGAのどこにでも売られていて、役に立つし、読んで面白い。

バルト3国とロシア旅行記

富中さんという方の旅行記。その後に旅行した方からも情報が寄せられており、参考になった。

DESLINKS旅行記リンク集

非常に数多くの旅行記が集められているリンク集。精力的に更新が続けられています。

Riga(リーガ)

バルト三国縦断の旅行の3番目の国として、1999/7/30に長距離バスでVilniusから到着、3泊して8/2にエストニアのTallinnにバスで出発した。

到着

Vilniusのバスターミナルからの長距離バスでRigaのバスターミナルに到着した。

VilniusからRigaまでのバス

VilniusからRigaまでのバスはいくつか出ていたが、Vilnius7:00発、RIGA12:50着のバスを選んだ。リトアニアとラトヴィアは時差が1時間あるので、所要時間は4時間半となる。

Vilniusのバスターミナルにある窓口で、Rigaに行きたいと言うと、Eurolinesのカウンターに行け、と言われた。EuroLinesのカウンターに行くと、きちんとした用紙の切符を売ってくれた。席もあらかじめ決まっており、40Ltだった。RIGAはRYGAと記されている。

Vilniusのバスターミナル

朝、Vilniusのバスターミナルに行くと、日本人の旅行者がいた。女性2人に子供1人という組み合わせ。ウクライナから来たところだという。私と同じバスでRigaに行くということ。バスは、WarszawaからVilniusまでのバスと異なり、トイレ付きのきれいなバスで、運転手も制服を着ている。

バスの旅

バスは満席に近かった。何回か停車しながら、国境に着いた。係員がバスに乗ってきて、パスポートを集める。少し待つようなので、降りる乗客もいた。同乗の日本人旅行者も降りていたが、写真をとったら、フィルムを没収されてしまったとのこと。英語で交渉しようとしたが、ドイツ語で話せ、と言われ、どうしようもなかったらしい。やはり、国境通過は緊張する。

バスの中では、VilniusのNarutisホテルで、チェックアウトの時に買ったRIGA IN YOUR POCKETを熟読。バスはダウガワ(Daugava)川を渡り、Rigaのバスターミナルに到着。

Rigaのバスターミナル

Rigaのバスターミナルに着いて、荷物をバス横の荷物室から出してもらい、同乗した日本人旅行者に挨拶して、行動開始。バスターミナルの建物には両替所があったので、US$を両替し、用を足し、旧市街のTourist Informationを目指した。

宿泊

HOTEL TIA

1999/7/30-8/2に3泊。Rigaのバスターミナルに到着後、旧市街のTourist Informationに行くと若い女性が窓口にいて、ホテルの予約もお願いできるのか聞くと、やってくれるというのでお願いした。といっても、普通の旅行代理店のように端末を操作して探してくれるのではなく、私も持っていたRIGA IN YOUR POCKETを見せてくれて、どのホテルが良いか聞いて、電話してくれるというもの。最初にあたってもらったLainetというホテルは満室で、次いで当たってもらったのがこのHOTEL TIAだった。幸い空き室があるとのことだったので、予約をお願いすると、10%分保証金として、その場で払い、Voucherのようなものをくれた。行き方について説明してもらい、出発。

住所、連絡先

Valdemara 63 (ここでmの次のaは上に横棒)
telephone +371 733 39 18
fax + 371 783 03 90
E-mail tia@mail.bkc.lv

旧市街北東部、K. Valdemara通りを歩いていった左側にある。旧市街付近からは、歩くことも出来るし、トロリーバスの3,5,7のいずれかに乗っていっても良い。

値段

シングル30Ls(朝食付き)

泊まってみて

一番最初にホテルに行ったときには、歩いていった。入り口は建物を回り込んだところにある階段を上った2階にある。レセプションにいくと、英語が堪能な女性が、部屋と朝食の説明をしてくれた。

HOTEL TIAの写真(63KB)

エレベータはロシア語の表示のもので、各階の「ボタン」を押すとへっ込み、その階につくと、バチン!というすごい音がしてボタンが元に戻るというもの。部屋は新しくはないが、比較的広く、必要な設備は整っている。衛星テレビも見ることが出来る。机の上には、ホテルの案内が書いてあったが、ラトヴィア語とロシア語のみだった。

HOTEL TIAの写真(57KB)

HOTEL TIAの写真(71KB)

とりあえず、ホテルにやっと着いたので、ホテルのカフェで遅い昼食をとった。

問題は、夜に起こった。最初の日、観光から帰ってきて部屋にいると、壁に、世の中でもっとも嫌いな昆虫である蚊を発見した。すかさず叩き殺した。そう言えば、北欧旅行したときも蚊が多かったな、と思い出した。とりあえず、これで安心と思ったが、甘かった。寝ようと思ったら、また耳元にあのいやな高周波の音が・・・。直ちに照明をつけて、蚊を探し、叩き殺す。また、寝る。すると、なんとまたあのいやな音が・・・。結局、夜寝付くまでに4匹の蚊を叩き殺した。

明け方、またいやな音で目が覚める。カーテンを開けて部屋に明かりを入れ、蚊を叩き落とす。寝ようとすると、また羽音が・・・。結局朝でさらに3匹の蚊を叩き殺した。寝ている間に、顔も含めて三個所も刺されていた。

朝食は到着時に昼食をとったカフェで提供されたが、チーズやハムがもりだくさんの満足できるものだった。

朝食後、レセプションにいって、蚊がひどくて眠れない、一晩で7匹だぞ、といったが、到着時と違う年配の女性が座っており、英語があまり得意でない様子。とりあえず、問題は通じたらしいが、ここにはないけど、クリームを塗るとよい、他の部屋に変えても同じだよ、との返事だった。ホテルを変えようかと思ったが、こういうときに限って3泊分一度に予約してしまっている。

部屋に戻る途中、エレベータの壁に蚊が止まっているのを発見。叩き殺す。自分の階でエレベータを降りてみると、なんと、廊下の壁にも蚊が止まっているではないか。ホテル全体が蚊ばかりという訳。

観光からホテルに戻り、レセプションで部屋の鍵を受け取ろうとすると、朝の年配の女性が笑顔で何か伝えようとしている。うまく英語で説明できないので、部屋に行けばわかるよ、と言う。戻ってみると、よく軒先などにつるしてある、青く光る虫除けが。しかし、これは光に頼って飛ぶ虫に使うもので、蚊には関係ないのではないかと思ったが、好意は受け取っておくことにした。

虫除け?の写真(59KB)

部屋中をチェックし、部屋内に蚊の発生源はないことを確認した。蚊はドアの隙間から部屋に入ってきているらしい。そこで、ドアの端四方に、日本から持参した虫除けを入念にスプレー。自分の体にもスプレーして、一応その虫除けランプをつけて、2日目の夜は寝た。しかし、この晩も1回起こされ、1匹叩き殺した。こんなことなら、次の旅行からは電気蚊取を持参しよう、と固く誓う。

次の朝、レセプションにまだその年配の女性がいたので、礼儀上、おかげで助かったと言っておいた。3日目の晩は、再びドアと自分に十分虫除けスプレーを用いたので、ようやく蚊から解放された。

不思議なのは、他の客が何とも思っていないように見えること。私は体質的に、大変に蚊に好かれているので、たくさん蚊が来たのかもしれないが、数はともかく、他の部屋にも蚊が出ているのではないだろうか。もしかすると、こちらのほうに住んでいる人達は、蚊のことをあまり気にしていないのかもしれない。SWEDENのKirnaに行ったときも蚊がすごかったが、現地の人はあまり気にしていないようだった。

交通

バス、トロリーバス

バス、トロリーバスがRigaの市内を走りまわっている。Vilniusと同様、バスやトロリーバスの運転手に、女性が多い。トロリーバスは、車両それぞれに違った布で運転席の周りを日よけのように飾っている。

停留所はわかりにくい。歩いていても歩道に、停留所らしき印はない。ベンチがあったりして、いかにも停留所というところもあるが、どう考えても何もないところに、人が立ち止まり、トロリーバスに乗ったりしている。何度も観察してやっと発見。小さな看板が、歩道ではなく、バスやトロリーバスが停まるあたりの建物にくっついている。

停留所の表示の写真(61KB)

切符はどこにも売っている様子はない。停留所にいる男性に、切符はどこで買うのか聞いたが、英語がわからないらしく、会話に苦労していたところ、少し離れたところにいる若い女性が立ち上がって歩いてきて、教えてくれた。チケットは乗ってからかえるのか聞いたら、それはそうよ、外では変えないでしょう?と当然のように笑いながら言われた。お釣りもあるか聞いたら、これも当たり前じゃない、というように笑われてしまった。ホテルの場所を聞かれたので教えると、本当は近いから歩いてもいけるし、ミニバスなるものを使っても便利だと丁寧に教えてくれた。結局ミニバスには乗る機会はなかったが。その女性は私と同じバスに乗ることになったので、降りる停留所が近づいたときも親切に教えてくれた。

確かに切符は中で買う仕組みになっている。バスやトロリーバスの中には、首から切符の束を釣り下げた車掌がいて、乗ると近づいてくる。そこで80santimi払うと切符を1枚ちぎってくれる。この切符は言ってみれば領収書のようなもので、お金を払ってもらえば全て完了。パンチしたりする必要はない。

トロリーバスの切符の写真(39KB)

一度、トロリーバスが止まってしまったことがあった。見ていると運転手がライフジャケットみたいなものを来て、降りていった。どうやら架線に接触しているロッドが外れてしまったようで、慣れた様子でもう一度はめていた。

食事

店の種類

レストランに対応するRESTRANS(Aは上に横棒)、カフェに対応するKAFEJNICA(Iは上に横棒)という区分があるようだが、KAFEJNICAでも食事が出来るようだ。日本の喫茶店のようにコーヒーとケーキを中心としている「お茶」をするためのような店もいくつか見かけた。

何も言わなくても英語のメニューが準備されており、持ってきてくれる。オーダーしたりする範囲で、英語は通じる。

飲み物

ビールが非常に良く飲まれている。ベンチで飲んでいるのは皆ビール。ほとんどの人が食事とビール、あるいはビールのみのようで、Vilniusと同様、男の場合はデフォルトで0.5lのものを出される。ブランドとしては、ALDARISというものが支配的のようだ。

また、水については炭酸入りのものもよく飲まれているようで、店でボトル入りのものを買うときには、ガス無しのものかよく念を押して買ったほうがよい。

食べ物

料理は、牛肉、豚肉、鶏肉の3つをローテーションする感じ。特に名物料理というようなものも見なかった。可もなく不可もなく。ただ、Rigaは比較的大きな都市なので、いろいろな店を試すことが出来る。量はやはり日本人には多い。スペアリブを頼んだら、骨付きのやつが皿の真ん中に、どん、と出てきた。

値段

値段はVilniusよりは高い感じがした。ただ、店によってかなり違う様子で、同じように食事しても倍くらい値段が違ったりする。メニューが店の前に必ず貼り出してあるというわけではないので、中のメニューを見てみないと値段はわからないのだが、ウェイター・ウェイトレスがきちんとした制服を着ていると高く、Tシャツなどを来ていると安いようだ。

領収書には、税金の内訳も示されることも多い。観察の範囲で税金は18%のようである。チップは、RIGA IN YOUR POCKETによれば、強制ではないが、気に入ったら10%程度払えば、ということ。ただし、どこでもそうだが、予めサービス料が加算されることもあるので、レシートは良く見るべきだろう。

行って見た店

HOTEL TIAのカフェ

Rigaに着いてすぐに昼食を食べた。一品とビール。

HOTEL TIAのカフェでの昼食の例(1999/7/30)
2 edieni2.15
Alus0.50
Σ apl.1.NDKL2.65
1.Nododklis18.000%
Σ bez NDKL2.25
1.NDKL Σ0.40
Kopa2.65
Nauda2.65
旧市街のKOLONNA Bars

旧市街のテラスで夕食。ビールから始まり、スープ、一品、コーヒーまで。ちょっと高かったか?サービス料が予め加算されているようだ。

KOLONNA Barsでの夕食の例(1999/7/31)
ALDARIS SOCL T1.10
GARNELU ZUPA T3.80
CUKAS FILEJA T5.20
MAIZE T0.50
CAPPUC ,CLASSIC, T1.50
KOPA12.10
5%
SERVISS T0.61
SRVC TL12.71
旧市街のMONTE KRISTO

旧市街にある非常に雰囲気が良くきれいな「喫茶店」。まだ新しいらしい。エスプレッソとコーヒー

MONTE KRISTOでの「お茶」の例(1999/8/1)
LUKSUS KUKA I(ここでKUKAのUは上に横棒)0.95
ESPRESSO I0.95
KOPA1.90
NET1.61
PVN1 18%0.29
KOPA1.90
NAUDA1.90
旧市街のAlus Arsenals(最後のaは上に横棒)

旧市街の北部にあるレストラン。レストラン本体は建物の地下に入っているが、テラスは少し離れたTorna通りにある。最後の晩にスペアリブを食べたが、ボリュームたっぷりで安かった。

旧市街

Rigaには、明確な境界で区切られた旧市街がある。昔は、DAUGAVA川以外の三方は城壁で囲まれていたという。

旧市街をDAUGAVA川から見た写真(59KB)

旧市街北部の通りの写真(57KB)

旧市街の写真(55KB)

公園

何と呼ばれているのかわからないのだが、Rigaの旧市街と新市街の間は公園のようになっている。これは昔は、城壁だった旧市街を守る堀だったらしい。木々が植えられ、池にはボートが浮かぶ。多くの人が休んでおり、ビールが飲めるテラスもある。ここ公園の中には、いくつか、独立時に命を落とした人の記念碑のようなものが静かに置かれている。

公園の写真(62KB)

公園の写真(61KB)

公園の写真(62KB)

大聖堂(Rigas Doms)

Riga旧市街の中心に大聖堂がある。大変に大きくて立派な建物であり、その前は広場になっている。

大聖堂前の広場(46KB)

大聖堂前の広場(61KB)

聖ペーテラ教会(Sv. Petera baznica)

これも旧市街の中心部にある高い教会。お金をとられるが、エレベータで上まで登ることが出来る。エレベータの前まで行って、ボタンを押そうとしたが、押さないで待っているような人がいた。表示はラトヴィア語?のみなので、どういうことかわからないので、しばらく様子を見ていると、子供連れの人が来て、子供がボタンを押そうとすると叱ったりしている。結局、エレベータは勝手に使ってはいけないようで、係員が一定時間毎に操作しているようである。上からの眺めは最高。カメラやビデオカメラを使うには別料金が必要というので払わなかったのだが、写真が取れなかったのが残念。ケチるんじゃなかった。

占領博物館(Okupacijas muzejs)

旧市街のDAUGAVA川に近い所にある四角いチョコレートのような形をした建物。1時間くらい見れば良いだろう、と思って夕方に行ったのだが、結局時間切れになってしまい。次の日Rigaを離れなければならなかったので、十分見ることが出来なかった。英語を読むのに時間がかかったせいもあるが。

バルト三国の中で、最も充実した内容だという。いたずらに残酷さや悲惨さを強調しているのではなく、歴史を淡々と展示しているように感じる。ナチスの占領とソ連の併合により、ラトヴィアは人口の1/3を失ってしまったという。シベリアに送られた人達が布の切れ端に書いた、「私の足は自由に歩くということを忘れてしまった。」といったような言葉が胸を打つ。同じようにソ連を隣国としながら、日本は恵まれていたように思う。ソ連の強引な要求に対して、フィンランドは必死に抵抗したが、独立を守るために領土の一部を割譲せざるを得なかった。抵抗する力も持たなかったバルト諸国は呑み込まれるしかなかった。展示の最後は、ソ連からの独立を求めて、薄暗い中に、夥しい人達が自由記念碑の周りに集まっている写真が置かれている。

島国で、悲惨な占領体験を持たない日本では、現実感がなかなか持てないが、「国」、「国土」、「政府」というのは全く別の概念であることを思い知らされる。

博物館が終了時間になってしまった後、旧市街の古い建物を生かしたMONTE KRISTOというカフェで、そんなことを考えていたら、時間のせいか客がほとんどいない上に、BGMにENYAなど流れはじめてしまい、ますますヨーロッパの歴史の重みについて考え込んでしまった。

十分時間がとれなくて駆け足で見られなかったが、Rigaに行ったら必ず行くべき場所だと思う。入場は無料だが、寄付金を集めている。慌てていたので、払わなかったが、誰か後に行く人がいれば、私の分も払っておいて下さい

Centrs

旧市街にあるデパート。靴下を買ったら、一足1Lsくらいだった。安い。

デパート"Centrs"の写真(60KB)

新市街

自由記念碑(Brivibas piemineklis)

旧市街と新市街の間に立つ、高い碑で、先端には3つの星を掲げる素朴なデザインの女性の像が取り付けられている。1935年の独立時(ソ連併合前)に立てられたものらしい。

記念碑の写真(104KB)

Jugendstil

新市街と言うと、社会主義の歴史を持つ国では、その時代の、四角くて大きくて無粋な建物が並んでいるものだが、Rigaが素晴らしいと思うのは、旧市街だけではなく、新市街にも美しい建物があることである。新市街の中の、Alberta通りを中心に、アール・ヌーヴォーの凝った建物が並んでいる。建物自体は普通に使われているようで、人が住んでいるようだ。特に観光客がいるわけでもなく、当たり前のように立派な建物が並んでいる。建築に特別興味があるわけではないのだが、見るだけの価値があるものだと思った。

Arberta通りの写真(68KB)

中央市場

バスターミナルに隣接して大きな市場がある。大きな体育館のような建物があって、その中では肉、魚、野菜を売っている。ハムやチーズの種類は非常に多い。一方、魚は海が近いにも関わらず、それ程種類がないようだった。サバの干物のようなもの、鮭などがあった。不思議なのは、鯉のような魚で、これだけは大きな水槽にうじゃうじゃと生きたまま売られている。何に使うのだろう?

市場は建物の外にも広がっており、住宅の配管材料から、衣料品、家電、花まで売っている。結構広くて人も多いので、見るだけで時間がかかる。

バスターミナル

Rigaのバスターミナルは、旧市街のすぐ南にある。両替所はあるが、ツーリストインフォメーションのようなものはない。結構込み合っている。

鉄道駅

鉄道駅も旧市街のすぐ南、Rigaのバスターミナルの近くにある。結構大きな建物で、向かって左側が長距離、右側が近郊線になっているようだ。駅の建物には、字が掲げられているのだが、どうやらかつてあったロシア語の部分は撤去されているようだ。

Riga駅の写真(43KB)

駅前の地下道にある店の中には、ゲームソフトを売っているらしき店もあり、除いてみると中年の男性がプレイステーションをやっており、画面の右上にはしっかりと漢字で「危険」と表示されていた。日本からは遠い国でそういうものを見つけてしまうと不思議な感じがする。

Rigaの人達

Rigaの人達もVilniusと同様、金髪の人が多い。明らかにロシア人という感じの人や、ロシア語らしき言葉で話している人を多く見る。女性はきれいな人も多い。

物乞いをしている人は旧市街で多く見る。靴も片方破けてしまっているような見なりの、悲惨としか言いようのない年配の女性や、子供連れの男性もいた。また、Rigaをバスで出発するときには、バスに乗ろうとすると年配の女性が、余ったsantimiを下さい、というようなことを必死に言ってきた。びっくりしたこともあって、NO!といってしまったが、どうせ余る小銭なのだからあげてしまえばよかった。

町中で花を持った人を多く見掛ける。ガイドブックにも書いてあるが、プレゼントとして花を贈るのが、かなり頻繁に行われているのかも知れない。

Jurmala(ユールマラ)

Jurmala(uは上に横棒)はRigaからすぐに行ける海岸沿いのリゾートである。1999/8/1に日帰りで行ってみた。

到着

Jurmalaには、Rigaから鉄道で行くことが出来る。Riga駅の右側の部分には、大きな路線図が掲げられ、窓口が並んでいる。Jurmala方面への電車はかなり頻繁に出ているようだ。窓口でMajori(マヨリ)というJurmalaの中心にある駅まで行きたいというと、時間を調べてすぐに往復の切符を0.76Lsで売ってくれ、ホームがどこかも説明してくれた。

電車は、ソ連時代に設計されたものなのか、広軌のものらしく、幅が広く、通路を挟んで並ぶベンチはそれぞれ3人掛けである。乗った1999/8/1は日曜日だったこともあり、浮き袋を持った子供連れなどで電車はすぐに一杯になった。と電車はJurmalaの海岸(というかJurmalaが海岸という意味らしいが)に沿って走っているらしい。Majoriという、一番の中心部で降りようと思ったのだが、停まる駅のホームには駅名の表示などなく、不安になる。降りる人が増えてきて、ついにある駅で大量の人が降りたので、ここがMajoriかと思い、出入り口の近くまで言って、念のため近くの年配の男性にガイドブックを見せて聞いてみたところ、慌てて老眼鏡を出して見てくれ、次の駅だと教えてくれた。Majoriでは駅のすぐ裏がLielupe川になっているので、それさえ知っていればすぐに分かるかもしれない。

なお、Tourist Informationは日曜日なので休みだった。

Majori駅の写真(後ろにLielupe川が見える)(57KB)

海水浴場

Jomas通りという、レストランやお土産店で賑わう通りを進んで行き、左に曲がると海水浴場にぶつかる。日差しが強く、ものすごく混んでいる。水に手を入れてみたが、ぬるかった。暑かったので、泳ぎたくなったが、さすがに一人では面白くないので遠慮した。

Jomas通りの写真(60KB)

海水浴場(バルト海)の写真(33KB)

このページに関するご要望は高谷 徹(toru@takayas.jp)まで