フェロー諸島

最終更新日 2024年8月18日

地図はWikipediaより

2024年6月にフェロー諸島旅行で訪問。デンマークの自治領という位置づけですが、デンマークとも異なった歴史と文化を持っています。その独立心を尊重して、デンマークとは別のページにしたいと思います。

国について

国の概要

国の概要
国名フェロー諸島(日本語)、Faroe Islands(英語)、Føroyar (フェロー語)、Færøerne (デンマーク語)
国土ノルウェーとアイスランドの間に位置する18の島からなる。
民族フェロー人、デンマーク人、カラーリット。
人口54,362人(2023年5月)
宗教キリスト教(福音ルーテル派)
首都トシュハウン(Tórshavn) ストレイモイ島にある。
経済状況一人当たり国内総生産はフェロー諸島で61,325ドル(PPP,2015)。離島なのにとても豊か。
時間フェロー諸島はUTC+0。デンマークとは1時間ずれている。サマータイムはUTC+1

国土

国土の特徴としては、木がなく草しか生えていないゴツゴツした岩、海食に依るであろう断崖絶壁、北西と東南方向に氷河が削った圏谷(カール)とフィヨルドという荒々しいもので、寒くて風が強くて、とても住みやすいとは思えない。

一見アイスランドによく似ているが、アイスランドと違って火山はなく、また、いくつもの島に分かれている。ただし、現在火山はないものの地質は「火山性」で、場所によっては柱状節理のような岩石がむき出しになっているし、地層もはっきりしている。全体としては南側が隆起していて、結果、古い地層が表出しているとのこと。

こうした国土に対して、「トンネル」がかなり重要な役割を果たしており、工事現場が多い。主要な島は海底トンネルで接続され、山で孤立した村もトンネルが通され、人口の90%が相互に船無しで移動できる状態になっているとのこと。たいていのところは首都トシュハウン(Tórshavn)から1時間以内に行くことができる。

生態系

人口を超える7万頭の羊が住んでいるが、それ以外の野生動物としては野ウサギがいるくらいで、これも持ち込まれたもの。蝶はいるが、カエルもヘビもいない、かなり乏しい生態系のように見える。

ネズミの拡大が問題になっているようで、島間のフェリーにはネズミを持ち込まないように注意が掲示されている。

気候

気候はメキシコ湾流の影響で年間を通じて平均気温は3-10℃と大きく変化しない。訪問時は6月で、ずっと10℃前後、寒くなると6℃、暑く?なると13℃といった感じ。

自治領

デンマークの自治領という日本人にはわかりにくい位置づけになっている。自治権はかなり認められていて、国防、外交、最高裁判所といった一部以外は独自の権限を有している。最高裁判所はデンマークだけれども、フェローの案件はフェローの法律で裁く必要があり、グリーンランドも同じなので、結局デンマークの最高裁判所は3つの法律体系に通じている必要があるとのこと。

デンマークはEUに属しているが、フェロー諸島は属していない。実はグリーンランドも当初はEUに属していたが離脱しているので「EUを離脱したのはイギリスが最初じゃない」とのこと。パラリンピックでは独自の選手団を送っているが、オリンピックではIOCが認めていない。オリンピックにデンマーク代表として参加したり、デンマーク軍で働くことには複雑な心情もあるようだ。

どうしてこんなことになってしまったのかは部外者には理解が難しいが、そもそも遠い(飛行機で2時間)、言語も異なる、第二次世界大戦時にはデンマーク本土と異なりナチスに占領されずにイギリスに占領されていた(その結果、紅茶文化、フィッシュ&チップスなどの名残あり)、経済的にも漁業が絶好調なのでデンマーク本土に引けを取らない、などがあるようだ。

フェロー諸島を旅行していても、フェロー諸島の旗は掲げられているが、デンマークの旗は1回も見なかった。

人口と出生率

人口は約5万人だが、増加傾向。また、出生率も2を超えており、多くの子供を持つことが普通のようだ。経済状況が良いこともあるのだろう。平均寿命も長く、また、中絶も少ないとのこと。中絶する際はソーシャルワーカーや牧師?の面談が義務づけられているのだそう。

産業とエネルギー

輸出はほとんどが漁業によるもの。アトランティック・サーモンの養殖が各フィヨルドで行われており、Bakkafrostという大手企業がある。関連の雇用も含めるとかなりの存在感らしい。円上の生け簀が複数まとめて設置され、母船から自動的に給餌される。これはコンピュータ制御・自動化されているそう。底にはセンサーがあって、餌が多すぎないかを監視している。餌は魚とジャガイモから作ったペレットで、「鮭はFISH&CHIPSを食って育ってる」とのこと。生け簀は定期的に移動させて、溜まらないようにしている。フィヨルドの流れがきれいにしてくれる。 

エネルギーは化石燃料が主だったが、水力発電や風力発電を増強中。日照が少ないために太陽光発電は期待できないとのこと。ただし、これでは冬の供給に問題があるため、潮汐発電なども検討しているらしい。

言語

公用語はフェロー語、デンマーク語。

フェロー語はアイスランド語に近いそうで、アイスランド語は「ゆっくり話してくれると聞き取れる」とのこと。また、覚えるのは大変だが、ドイツ人は比較的早く覚えられるという。

学校に入ると最初はフェロー語のみ、続いてデンマーク語を習い、次に英語を習い、続いてフランス語、ドイツ語などを選択する。そのため、フェローの人はフェロー語、デンマーク語、英語は皆話せる。

なお、地名に出て来る-vikは入り江を意味し、島名に出て来る-oyは島を意味する。

通貨

フェロー・クローナ。レートはデンマーク・クローナと同じで、硬貨も同じ物が使われている。紙幣のみ独自の物があるらしいが、そもそもキャッシュレス決済が浸透というか徹底しているので、1回も見なかった。

キャッシュレス決済は徹底していて、レジにはカード用の端末と、店員が捜査するタブレットのみが置かれてすっきりしている。飲食店はもちろん、バスもタクシーもカード。それもほとんどコンタクトレスのタッチ決済。滞在中1回だけ、端末の調子が悪くてデンマーク・クローナの硬貨で払ったことがあった。ただ、端末の不調に備えてある程度の現金は持ち歩いているよ、とのことだった。

クレジットカードは18歳から作ることができ、それより下の子供は(たしか15歳くらいと言っていた)でデビットカードを作ることができるらしい。

なお、今回の旅行ではマイレージの関係もあって、普段サブとして使っているクレジットカードのみを持参したが、いちいちホテルの予約、ツアーの予約などオンラインで海外サイトの支払をすると悉く認証で止められてしまい、苦労した。カード会社に電話をするにも時差があって、なかなか営業時間にできなかった。カード会社の人の話によれば、海外に行くときは事前にその期間をカード会社に連絡しておいた方が良いらしい。

両替レート
日付手段レート
2024年6月クレジットカード1DKK=\23

物価は円安も相まって相当に高い。カフェでお茶(とケーキ)をすると2,000円を超え、カフェで軽い食事をすると5,000円を超える。カジュアルなレストランで食べたら17,000円で、普通のレストランで食べたら37,000円だった。USBケーブルがなくて買ったらこれも4,000円とかする。日本は物価が安い、安すぎる。

ビザ

不要。

関連リンク

フェロー諸島(Wikipedia)

Visit faroe islands フェロー諸島観光のポータルのようなページ

超個人的★ヨーロッパ旅行のHow To フェロー諸島を旅行された方のブログでとても参考になりました。

ストレイモイ島(Streymoy)

最大都市である首都Tórshavn(トシュハウン)を要するフォロー諸島最大の島。

Tórshavn(トシュハウン)

ストレイモイ島にあるフェロー諸島の首都で、2023年5月の人口は23,113人。

フェロー諸島旅行の拠点として2024年6月10日(月)から6月15日(土)まで滞在。

発音は難しくて、現地の人の発音だと、「トーション」「ウシャン」のように聞こえる。つまり、2拍ではなく1拍で発音し、アクセントは頭にある。でも、vも発音しているらしい。

Wikipediaのトシュハウン情報

到着

往路はコペンハーゲンに1泊してフェロー諸島入り。

2024年6月9日(日)に羽田空港をスカンジナビア航空SK984のA350-900で11:47に出発、ロシアの上空を避けてアラスカを越えて北大西洋からコペンハーゲンのカストルプ空港のTreminal3に18:21に到着。カストルプ空港の到着部分の案内は、デンマーク語、英語、日本語、中国語。まだ日本語も存在感があるのですね。

また、入国検査では目的と滞在日数を聞かれた。昔はパスポート見せて終わりだった記憶がある。今回は新しく買ったスーツケースだったので、間違えないように緊張した。空港直結のホテルComfort Hotel Copenhagen Airportに1泊。

翌日の2024年6月10日(月)、5:20くらいにホテルをチェックアウトして空港でカフェラテと甘いパンを買って、Terminal2からAtlantic Airways RC465のA320で6:55定刻に出発。往路はコペンハーゲン空港で1泊したのに搭乗券は羽田空港で発行された1枚のままだった。飛行機は空いていて、搭乗率20%くらいか。通路側の席だったが、着陸時には窓側に移動。雲の下に降りると荒涼とした島が見え、風も強いだろう中でVágar空港に8:15に到着。

荷物を受け取り、気温が低いのでセーターとウインドブレーカーと傘を取り出して税関を抜けた。皆タクシーなどで行ってしまい、バスを待っている人はほとんどいなくなった。スマートフォンで確認すると、「全てのバスはresume」との表示。なんとフェロー諸島は全島で何週間もストライキが続いており、この日からストライキ明けだった模様。そんなこと、海外安全情報にも何も載っていなかった。

空港でパンフレットなどをたくさん入手。雨が降っていて、外に出るととても寒い。

9:05のバス300で空港を出発、料金は90DKK、カードのタッチ決済で簡単に支払える。外気温は8℃。空港があるヴァーアル島から海底トンネルでストレイモイ島に進み、Tórshavnのバスターミナルに10:00頃到着。

Tórshavnの街

まずはLonely Planet Denmarkの案内に従って市内を散策。

Skasin

バスターミナルの向いに城壁の跡が残っていて、わかりにくい入口から登るとTórshavnの街を眺めることができる。

Undir Ryggi

とても小さい通りで、昔の街並みが残っている。

Tinganes半島

Tórshavnの街の真ん中には小さな半島が伸びていて、港が2つに分かれている。この半島には古い街並みが残っている。

草屋根で赤い色に塗装された家が並んでいて、民家だと思ったらなんと官庁街だった。入口にMinistry of Financeといった掲示がある。半島の一番先は潮に洗われた岩となっていて、そこに首相官邸がある。これまた民家みたい。なお、議会はもっと陸側にあって、現代的な建物(ガイド曰く皆好きじゃない建物)。

Kongaminnið

オベリスクがある丘。オベリスクのところだけ登れるようになっているようだが、工事をしていて登れなかった。

SMS

街の外れに大きめのショッピングセンターがあり、バーガーキングを始めとしたいろいろな店がある。

ここでUSB-AとUSB-Cのケーブルをようやく買った。服の店もあるが、フェロー諸島特産のニットが充実!のようなことはなく、普通の服。

食事

小さな街なのでレストランやカフェがいくつもあって賑わっている、という感じではない。そもそも北欧は外食文化があまりないように感じる。

農業もジャガイモくらいしか作っていないようなので、特に料理に特徴がある、名物があるという訳でもなさそう。値段も高いのは、食材も輸入が多いこともあるのだろう。

Kaffihusidという港に面したカフェでチョコレートケーキとコーヒーを飲んだり、Paname Cafeで黒ビールとサンドイッチを食べたり、Kafe Kasparでバーガーとフレンチフライとビールで食事をしたり、Skeiva Pakkhúsでイタリア料理を食べたり、The Tarvで贅沢な夕食にしたり。

値段は軽く食べて5,000円、普通に食べて17,000円、ちょっと贅沢して37,000円という感じ・・・。日本の3~4倍と言ったところか。

出発

2024年6月15日(土)、5:00に目覚ましをセットしたが4:00に起きてしまった。週末のせいか外の酔っ払いがやかましい。

タクシーを予約してあって、ホテルに来た6:20にタクシーに乗ると若い女性が既に1人乗っていて、次におじさんが乗ってきた。私もおじさんだが。

Atlantic Airways RC450のA320で8:20発。帰りは天気が良く、Sørvágsvatn(またはLeitisvatn)の上を飛んでよく見えた。ちょうど皆が写真を撮るところがスキーのジャンプ台のようになっている。コペンハーゲン空港に11:25着。

12:45にSASのRK983のA350-900で12:45発。ほぼ満席に近くて隣も男性ふたり。帰りはルーマニア、カザフスタン、中国、韓国を通ってきた。ロシアとウズベキスタンとモンゴルは避けていた。翌6月16日の7:55に羽田空港着。

Streymoy島からの眺め

2024年6月11日(火)に、ヴァーアル島(Vágar)のツアーのEssential 6 Hour Highlights of Vágar Islandで帰りにちょっと寄り道。

まずはフィヨルドを見下ろす刑務所。上を見るとレーダーサイトの跡があるが、これは廃止されたとのこと。フェロー諸島は平和で、「飲酒運転くらいしか犯罪がない」とのこと。

続いて峠の上、Sidjafjall山の横から。KOLTUR島の他、SANDOY島の先っちょの離れ小島が見える。

ノルソイ島(Nólsoy)

ノルソイ島はTórshavnのすぐ先にある小さめの島。トンネルはつながっていないが、フェリーですぐに行けるので日帰りが可能。

到着

フェロー諸島に到着した2024年6月10日(月)の午後、港にフェリーが泊まっていて時刻表があり、日帰りできるので行ってみた。

フェリーは16:20発。この時期なので日没で暗くなる心配はない。フェリー乗り場にはネズミを持ち込まないようにという掲示がある。外来種であるネズミがいくつかの島には拡がってしまっているが、それ以上拡がらないようにしているらしい。

カーフェリーだが歩いて中に入るとクレジットカードで運賃を払う。40DKK、タッチ決済。フェリーは30分ほどでノルソイ等に着く。

Nólsoy

港近くの郵便局?の売店でチョコレートと水2本を買った。

村を歩いたが、よく言えば静かな漁村で静か。子供が外で遊んでいる。すぐに歩ききってしまい、帰りのフェリーまでの時間は手持ち無沙汰になってしまった。フェロー諸島への到着日で厚手の下着も着ていなかったので、寒くて風が強くて冷え切った。

出発

身体が冷え切ったところで18:25の船でTórshavnに戻った。

Tórshavnに着いて降りるとき、誰もお金を払っていなかったのでそのまま降りた。どうやらフェロー諸島のフェリーでは片道だけで料金を徴収する仕組みがあるらしい。

ヴァーアル島(Vágar)

南部にある島で空港があるが、それ以外にも有名な「海の上の湖」など見所がある。2024年6月11日(火)に、現地ツアーのEssential 6 Hour Highlights of Vágar Islandに参加した。

Sørvágsvatn(またはLeitisvatn)

フェロー諸島最大の湖でWindowsの壁紙の場所。Wikipediaを見ると、地元でも東西でSørvágsvatnかLeitisvatnで呼び方が異なっていると書いてある。

ツアーで、Tórshavnを出発し、トンネルを通ってヴァーアル島へ。途中で昼食のサンドイッチをガイドが各自の希望を聞きながら購入。ここで電池とUSBケーブルを買いたかったが、カード端末が機能せず、電池のみ硬貨で買った。フェロー諸島の旅行で唯一現金を使った。

空港へ続く道から横に入った道に入ると建物があるゲートのようなところがあり、他にも車が止まっている。そこを通過すると細長い湖の真ん中くらいのところに出るので、後はひたすら細長い湖の海側を目指して歩く。

前日雨だったせいか所々ぬかるんでいるし、小川というか小さな流れが道を横切っているが、ほとんど高低差がなく、そもそも木が生えていないのでゴールも最初から見えるので、在宅勤務でなまりきった身体にもさほど大変ではない。

ゴールまでは1時間ほど湖沿いを歩く。途中で他の観光客ともすれ違ったが、前日までのストライキのせいで、観光客は少ない方らしい。本当にラッキーだった。

湖の先端近くにになると所々海が切り込んでいる場所があって、下の海を覗ける。ただし、後ろからとても強い風が吹いているのでちょっと怖い。

湖の先端部分はスキーのジャンプ台のようになっており、ここをTrælanípaと呼ぶらしい。ここに登って振り返ると、有名な"The lake on the ocean"を見ることができる。よく見ると、崖の中には浸食されて洞窟が形成されていて、その部分の海外線が切り込んでいる。先に海を覗いた切れ目の足下は洞窟で空洞になっていると考えるとちょっと怖い。いずれ浸食されると崩壊するのかもしれない。

Trælanípaの上には小屋の後のようなものがあって、ここは第二次世界大戦時にフェロー諸島を占領していたイギリス軍が見張り小屋のようなものを建てた後とのこと。

もう少し先に歩いて行くと細長い湖の先端に出て、小さな滝Bøsdalafossurとなって海に注いでいる。それほどの高低差は感じない。その先は断崖絶壁Geituskorardrangurが続いている。

ここまで見ると、有名な絶景にはちょっとトリックがあることに気付く。湖自体は氷河に削られた圏谷(カール)の底に拡がっているようだ。両側は山だが、一方は海に湖の近くまで浸食されてしまっているために海の近くに湖がある。さらに、撮影する付近はスキーのジャンプ台のように盛り上がっているので、海からの高低差が大きく見える。この地形は帰りの飛行機からよく見えた。

というのは空港がこの湖の、海とは反対側の端にあるため。もともとイギリス軍がこの湖を水上飛行機の離着陸に使ったことから近くに空港を作り、それが今の空港につながって言うらしい。なので、飛行機はこの湖の上を飛んで離着陸する。

なお、この湖では釣りをしないのかガイドに聞いたところ、20-30cmの魚は釣れるけどあまり・・・という感じ。他でも釣りをすることができるというか、あまり釣り自体が人気がないようにも見える。漁業は仕事としてするもの、ということか。

帰りは来た道を戻る。ぬかるみに足を取られて、靴とズボンが大変なことになった。

Bøur

フェロー伝統の草の屋根がある小さな村。ここで昼食のサンドイッチ。食べながら。草の屋根というのは今でも生き残っていて、工事をして作っているのも見た。防寒効果があるらしい。

Gásadalur

ここもフェロー諸島といえば、という有名な景色の1つ。村の下にMúlafossurという滝があり、とても絵になる。

以前は船か人力でしか物が運べなかった。電話だけ通った後は、来る人に「ついでにあれも買ってきて。」と頼んだりするくらいだったという。現在はトンネルがあって簡単に行き着くことができるが、サーモン養殖で儲かった人の家も新たに立てられたりしているようだ。

この村から沖に見える小島Tindhólmur、Drangarnirも三角形の形や、アーチの形で名物となっているよう。

ボルウォイ島(Borðoy)

北部にある島でフェロー諸島第2の都市、クラクスヴィーク(Klaksvík)がある。2024年6月12日(水)に、現地ツアーのClassic 7 Hour Northern Isles Tourに参加して北部のボルウォイ島(Borðoy)、 ヴィオイ島(Viðoy)、クノイ島(Kunoy) を回った。

島々を回るといっても、海底トンネルでつながっているので車で移動できる。トンネルがあることによって、90%の人口が車でアクセスできるようになったという。

ボルウォイ島(Borðoy)へのアクセス

Tórshavnがあるストレイモイ島(Streymoy)からまずはトンネルでとなりのエストゥロイ島(Eysturoy)へ。海底トンネルの途中にランダバウトがあり、フェロー諸島名物であるチェーンダンスを模したアートがあるが、誰かが突っ込んで一か所破壊されていた。

Árnafjørður

静かなフィヨルドの村で砂浜がある。寒いので泳ぐのは適さないが、泳ぐ人もいるとかいないとか。

山を貫通するトンネルでアクセスする村だが、さらに新しいトンネルを掘るのか工事をしていた。

Múli

島の北部にあり、住民がいない、放棄された村だが、もともとは農業の村だった。今でも家は所有者がいて管理はされている。道路をつなげたが、そのときには廃村になってしまって間に合わなかったらしい。道路も傷んできている印象。

行く途中で止まって、羊にパンをやる時間があった。よく食べるが、そもそも羊はパンを食べるものなのかと思った。皆もこもこしているが、7月には毛を刈るらしい。羊は基本的に放し飼いにされているようだが、範囲はコントロールされているようで、今の季節は街には羊を入れない季節だそうだ。石がU字型に積み上げられた羊用のシェルターが作られている。屋根がないが、風を防ぐことを目的としているという。

農業としては、ジャガイモが育てられており、草の生えた土を裏返してイモにかぶせ、保温して育てている。また、かじると酸っぱい野菜も育てられている。畑を野ウサギの群れが走っているのも見た。フェロー諸島に住む数少ない野生動物だが、これも人が持ち込んだらしい。

村の外れには断崖があり、そこにいる鳥は脂がのってくる8月に食べるという。

村の対岸にはViðareiðiが見える。コーヒーを飲んで休憩してから、そのViðareiðiに向けて出発。

クラクスヴィーク(Klaksvík)

フェロー諸島第2の都市で、北部の人口が集中している。フィヨルドに挟まれた狭い平地に町が拡がっている。

昼食にサーモンと卵のサンドイッチを食べた。

街の周辺の傾斜にも宅地が開発されている。高台から街全体を見下ろす景色も素晴らしい。

ヴィオイ島(Viðoy)

最北部にある島で、ボルウォイ島(Borðoy)とは橋というか、堤防のように道路が渡されてつながっている。2024年6月12日(水)に、現地ツアーのClassic 7 Hour Northern Isles Tourに参加して北部のボルウォイ島(Borðoy)、 ヴィオイ島(Viðoy)、クノイ島(Kunoy) を回った。

Viðareiði

最北端の集落。農業の村で、フェロー諸島の牛乳が生産されている。

西にはクノイ島(Kunoy)、ボルウォイ島(Borðoy)が見える。反対の東側にはフグロイ島(Fugloy)、スヴィノイ島(Svinoy)が見える。鳥の島と豚の島という意味らしい。

クノイ島(Kunoy)

この島もボルウォイ島(Borðoy)とは橋というか、堤防のように道路が渡されてつながっている。2024年6月12日(水)に、現地ツアーのClassic 7 Hour Northern Isles Tourに参加して北部のボルウォイ島(Borðoy)、 ヴィオイ島(Viðoy)、クノイ島(Kunoy) を回った。

Kunoy

ボルウォイ島(Borðoy)から渡って、島の反対側にトンネルで抜けたところにある、島の名前と同じ名前の集落。

木のないフェロー諸島の中で、人工的、実験的に植林された森があるが、100年経ってもほとんど育っていないようだ。

区分された土地に羊、馬などが飼われていた。

スウロイ島(Suðuroy)

フェロー諸島の中で、最南端、少し離れたところにある島。離れているので船でしか行けない。2024年6月13日(木)に、現地ツアーのSpectacular 12 Hour Suðuroy Island Day Tourに参加して日帰り。

島を一旦北上してから一番南のほうまで南下して戻ってくると言う、島全体の観光だった。

到着

Tórshavnのホテルを朝、車で出発、バスターミナルの裏の港から舟に乗り込む。結構大きな舟で、乗り込む車も多い。

カフェテリアとキオスクがあり、カフェテリアでコーヒーを注文。

スウロイ島(Suðuroy)までには2つの小さな島を通過する。Lítla Dímunという小さな島は東京都の御蔵島のようなお椀を逆さまにしたような島で、個人が所有し、羊が飼われている。

スウロイ島(Suðuroy)の入江にあるTrongisvágur近くの港に着岸。周りの景色には柱状節理が目立つ。フェロー諸島は現在活火山がないものの火山による岩でできた島で、南側が隆起していると言うことで、スウロイ島(Suðuroy)はフェロー諸島の中で古い岩石が露出しているとのこと。

オペラハウス

港の隣接したかつての塩の貯蔵庫がオペラハウス、コンサート会場にリノベーションされている。

職業体験なのか、高校生くらいの若者が遊びながら周囲で掃除をしたりペンキを塗ったりしていた。

Sandvík

まずは北上してSandvikまで。名前の通り、砂が堆積した湾。白と黒の砂が混じっている。

近くの村の海岸沿いにSigmundur の墓がある。海を泳ぐ男が彫られている。このSigmundur Brestissonはフェロー諸島にキリスト教を導入した人だが、その後に襲われて海に飛び込み、スウロイ島(Suðuroy)のここまで流れ着いたが、地元の農民に殺されてしまった。

Fámjin

島の西側にある村。どうやらショートカットするためのトンネルを建設中のようだった。

教会でフェローの宗教の歴史についてガイドが説明。カルニチン輸送体欠乏症(CTD)の調査のためにフェロー諸島の島民の血液を調べたところ、男性はノルウェー由来、女性はブリテン島由来であることがわかったそう。アイスランドでも同様の話を聞いた。

教会内にはフェローの古い旗が飾ってある。ただの古い旗に見えるが、どうやらこれはオリジナルのフェローの旗という由緒あるものらしい。

外で昼食。買ってきたパン。歩いている人は誰もおらず、ひっそりとしていた。

Hov

島の東側にあるナーススクールがあるという村。

ここもそうだが、島全体で柱状節理が目立ち、今は火山はないけれど、火山性の岩石による島だということがよくわかる。

Porkeri

Hovから南下した島の東側にある村。

古い教会がある。フェロー諸島全体で見られるこうした草の屋根は防寒になり、手入れも要らないのだという。

Vágseiðið

Porkeriから西に行くと島のくびれたあたりにある。

降りて歩いて崖の上から海を見ることができる。溶岩の間に堆積した地層がある様子がよくわかる。そこだけ浸食されている。

Sumba

ここが今回最南端。しかし、トイレに行っただけ。

海岸には船のようなモニュメントがあった。

Vágur

Vágseiðiðから南に折り返したところにある「街」。コンビニのような商店があり、ホットチョコレートを買った。

これでスウロイ島(Suðuroy)の観光おしまい。

出発

17:29に再び出航してTórshavnへ。

Vestmanna

一日観光できる最後の日、2024年6月14日(金)はツアーではなく公共交通機関でストレイモイ島(Streymoy)のVestmannaへ。ここは船に乗って見る断崖絶壁の海鳥が有名。

8:00にTórshavnのバスターミナルを出発。系統300のバスは空港だけではなくVESTMANNAも行き先になっているが、そのまま乗っていると空港に行ってしまうので、途中で100に乗り換える必要がある。この小さなコンビニみたいな場所がその「交通の要所」となっている。

バスは途中、Kvívíkという小さな村を通過していく。

船の乗り場は終点ではないようで、Tourist Informationの前で降りた。9:00から空くということでしばらく待ってからウェブで予約してあったフェリーの受付を済ませ、時間があるので建物内にあるSAGA Museumを英語のガイドで見た。

さらに時間があるのでVESTMANNAの街へ歩いていくと、水力発電所と像があった。この水力発電所を建設した人らしい。水力発電所といっても大きな川がなくダムもないので、山肌を水を流す程度のもののようだ。

30分前に船の乗り場に行ったら、ツアーバスが来たのかもう一杯で良い場所は押さえられてしまっていた。失敗。日本から持参した雨具を着込んで出発準備完了。

船は鮭の養殖場を通り過ぎ、どうやって行ったのか分からない羊がいる断罪絶壁をすぎて外洋近くまで出ていく。狭い場所に入ったりする。

鳥は何種類かいて、たくさん見えるが、小さくてよく見えない。きちんと見ようとすると、双眼鏡が必要。ただし、それぞれ飛び方に特徴が有って、滑空を主とするものや、パタパタと羽ばたき続けるものがいる。パフィンは羽ばたくピッチが速く、一生懸命飛んでいる感じでちょっとかわいい。

船を下りた後、Tourist Informationの建物にあるレストランで、船と同時に予約しておいたFish of the dayとして鮭。ビールも追加。

食後も時間があるので街を歩いていたら雨が降ってきたので、Tourist Officeに戻ってバスでTórshavnへ。

このページに関するご要望は高谷 徹(toru@takayas.jp)まで