北海道(知床)

最終更新日 2006年8月13日

たまには日本の世界遺産、と言うわけではないですが、知床に行ってきました。涼しい北海道を期待していたら、暑くて日焼けして参りました。しかし、雄大な大自然、やはり魅力的です。旅行代はとても高いけど・・・。

2006年8月5日(屈斜路湖、摩周湖)

女満別空港

JAL1183便で羽田空港を10:30に出発。窓側の席が良かったが、真ん中の席になってしまった。12時過ぎに女満別空港着。一応ツアーなので書類を受け取り、空港内の食堂でエスカロップを食べてから空港前のレンタカーへ。飛行機を降りた瞬間にも暑いと思ったが、空港を出るとむっとする暑さと強烈な日差しの照り返し。空港前の表示では35.4度になっていて、涼しいと思っていたので期待はずれ。レンタカーを借り、出発。

屈斜路湖

1時間ほどのドライブで、屈斜路湖を望む美幌峠の道の駅へ。やっぱり暑い。パラグライダーをやっている人がいて、目の前を横切ったりする。

湖を周り、アイヌ民俗資料館を見学。資料館の前は湖だが、岸沿いの水はぬるかった。

摩周湖

屈斜路湖から摩周湖にドライブ。かなり坂を登る。まず、第3展望台というものがある。道路脇に駐車スペースがあり、そこに車を停めて反対側の展望台に登ると、摩周湖が見渡せる。「霧の摩周湖」ではなく、全くの快晴。

地形がものすごくて、周りは完全に山に囲まれ、岸は切り立った崖になっている。カルデラ湖であり、流入、流出河川はないらしい。透明度を測ったりしているのでしょうけど、どこから水面に降りるのだろう。

車でさらに走る下り坂になり、第1展望台がある。なぜか第2展望台はない。第1展望台は広い駐車場があり、お金を取られる。売店もあり、俗っぽい。景色は高度が低いこともあり、第3展望台の方が良い気がする。

知床

清里町、斜里町を通って知床へ。半島に入ると海沿いを走ることになるが、ちょうど日没が近づいており景色が美しかった。ウトロが近くなると、いきなり道路の右側にオシンコシンの滝が見える。

ホテル

宿泊地であるホテル知床に到着。夕食はバイキングだったが、レストランに入るとまずカニを一杯選べる。バイキングは予想していたより量も質も充実していておいしかった。しかし、カニは食べるのに時間がかかって疲れた。眠いので大浴場に行かずに部屋で入浴して就寝。

2006年8月6日(知床)

朝食

ホテルでバイキングだったが、これまた充実していてたくさん食べた。

観光船

ゴジラ岩観光の観光船の知床岬コースを予約しておいた。10:00出発で、9:40に集合だが、かなり早めに着いてしまった。しかし、受付順に船に乗るので、良い席に座れて結果的に良かった。この日も良い天気で、強い日差し。集合時間になると集合場所から列を作り、名前の由来になったゴジラ岩の横を通って、港へ行き、順番に乗り込んで出発。船は漁船クラスのものだが、2Fにデッキがあるのでそこに陣取る。

寒いので上着を、と言われていたが、Tシャツ1枚で全然寒くない。

フレペの滝

まずはフレペの滝が見える。フレペの滝は、陸側からも見に行くことができるが、全景は海側からしか見えない。滝の上の稜線には歩いている観光客も見えた。

男の涙

続いて男の涙という滝が見える。小さな船のなので、かなり近くまで寄ってくれる。ただし、全行程でそうだったが、定置網が多くて、それをよけながら船を進めている。ちなみに、なぜ男の涙という変な名前がついているかというと、位置としては乙女の滝に背を向けており、かつ、陸側からは見えないところにあるためとのこと。

象岩

船から見る半島はほとんどが厳しい崖となっており、雨や流氷の浸食のせいか複雑な地形となっている。岬にはいろいろ名前がついていて、象岩と呼ばれるものもその1つ。

岩尾別

しばらくすると岩尾別というところに出る。ここは半島の山が途切れて広い岸になっている珍しい場所。

カムイワッカの滝

続いてカムイワッカの滝。これは、川の中に温泉があるため、川上りをする観光でも有名な川。最後は滝となって海に注いでいる。温泉が流れ込んでいることもあって、滝の周囲は海の色が変わっている。

ヒグマ

この先のルシャ湾は、ヒグマが頻繁に見られることで有名だが、船のガイドは着く前にヒグマがいるという。どうやらいくつも運行している観光船同士で情報交換をしているらしく、先に行った船がヒグマを見つけているらしい。現地に到着すると、ヒグマがいると言うが、見えない。双眼鏡で見ていると見つかるようだが、肉眼では鳥がたくさんいるのはわかるがよく見えない。河口のあたりで、と説明されるとようやく発見。親熊に小熊が2頭。親熊は海に潜り、小熊は岸を走っている。小さくしか見えないが、形が見えてかわいらしい。もっとも近くで会ったらそんなこと言えないが。見ていると熊は川を上っていってしまった。餌をとっているのだろうか。しかし、こんなに簡単にヒグマが見られるというのは、数が多いからなのか、そもそも海岸沿いにいつもいるものなのか、ちょっと不思議。

ヒグマの親子(QuickTime、1.2MB)、右側の河口に親熊がいて、中央から右に向かって2頭の子熊が走っていますが、見えますか?

カシュニの滝

さらに進むとカシュニの滝。それにしても、滝ばかり。切り立った崖になっているので、普通に流れ込んでいる川はほとんど見かけないように思うのだが、鮭はどうしているんでしょう。

知床岬

最後は知床岬。ここまで約1時間半強。灯台が建っているが、もちろん無人。知床半島のウトロ側(西側)には灯台まで行く道はなく、羅臼側(東側)から行かなければならないらしい。灯台の前はテーブル上の平地となっている。ただし、灯台まで行くのは環境を守るため、自粛と言うことになっているとのこと。天気がよいと国後島が見えるらしいが、残念ながら見えなかった。ここで船は折り返し。

イルカ

帰りはやや岸から離れて船を進むが、引き続き解説をしてくれる。ちょっと寝てしまったが。帰りになると、かなり日焼けが進行してきて、腕が真っ赤になってしまった。

帰りにはイルカが見えた。一瞬だったが、白黒模様のイルカが顔を出すのが見えた。

昼に出発した観光船とすれ違って、ウトロ港に到着。

知床五湖

知床自然センターに寄って、知床五湖に向かう。道はそれほど混雑していないのだが、駐車場の入り口には列ができていた。有料なので金を払って車を停め、五湖に向かって歩き出す。バスも止まっていて人が多い。

ヒグマが出るため、五湖のうち、二湖までしか立ち入りできない規制がされていた。他の観光客とぞろぞろ歩いていくと一湖に出る。小さな池というか沼という感じで、小さなフナがいるのが見える。しかし、とにかく人が多く、列になっている。本当にこんなに人がいるのに、ヒグマが出たりするんでしょうか。

一湖を通り過ぎ、二湖に出る。こちらは一湖より広いようだ。ここで道は行き止まり、というか規制されている。うーん。二湖までしか見ていないですけど、特に大騒ぎするような観光地でもないような。

フレペの滝

知床五湖からウトロに少し戻ったところに知床自然センターがあり、ここからフレペの滝まで歩く遊歩道が整備されている。知床自然センターからはしばらく森の中を歩く。立ち止まってビデオを撮っている人がいるのでなんだと思ったら、鹿がいて、それを撮影していた。

さらに歩いていくと、森を出て草原に出る。いろいろな花が咲いていて、その先にはウトロ灯台が見える。草原が突き当たると展望台があり、上から海へ注ぐフレペの滝をのぞき込むことができる。海からの風が吹き上げ、カモメが空を飛び交っている。

灯台にも行きたかったが、そちらは立ち入り禁止になっている。戻り道の山道で、まだ鹿がいた。今度は2匹いて、かなり近くにいても逃げない。人に慣れているのかも知れない。

オロンコ岩

夕方、オロンコ岩の展望台に登った。オロンコ岩は、ウトロ港の一番先にある巨大な「岩」で、裏側に階段がついていて登ることができる。200段くらいあるのだが、夕方の景色がすばらしい。一番上には階段があって、柵に囲まれた広い場所になっているのだが、半分くらいは草に覆われていて入れなかった。

夕食

ホテルでの夕食は今度は和食。これも盛りだくさんでカニも出て、おいしかった。

2006年8月7日(知床、羅臼、野付半島、中標津)

朝食

やはりホテルでバイキング。

オシンコシンの滝

まずはホテルがあるウトロからも近いオシンコシンの滝へ。国道のすぐ横にあるため、道路脇の駐車場に車を停めるとすぐに見学できる。観光バスも止まっていて、人が多い。

三段の滝

オシンコシンの滝からウトロ側に少し行くと三段の滝がある。ここもやはり道路沿いにあり、無料の駐車スペースがあるのだが、観光客はほとんどいない。観光バスを見ていると、滝の前で徐行、あるいは一時停止してすぐに通り過ぎていく。

知床峠

また、ウトロを通り過ぎて、今度は知床横断道路へ向かう。バイクだけでなく、自転車で旅行している若者もいる。ご苦労なことです。峠には展望台と駐車場があり、観光バスも止まっている。自衛隊もいた。

羅臼岳の姿が雄大に見える。なお、この道は冬は閉鎖されてしまうのだろうです。

羅臼

羅臼に到着し、道の駅で昆布を買ってから、ヒカリゴケを見に行った。ヒカリゴケというのは、自分で光るのではなく、光を反射する特性を持っているものだそうです。そのため、角度によっては、光って見える、というもので、左右に動いてその角度を見つけないと、光って見えない。

その後、昼食。羅臼は魚で有名な街なんだそうですよ。

寿司の店で、「おまかせ」を頼む。まずは内子、外子、イクラ、ウニの軍艦。ウニは季節でないので地物ではないですよ、とのことだったが、どれもおいしい。内子はどろっとした煮凝りのような感じだった。続いて甘エビ、サメガレイの縁側などの握り。サメガレイの縁側は、食感と言い、舌触りと言い、最高の味だった。3kgくらいの大物だそうだ。

さて、おまかせが終わった後は、ブドウエビを注文して握りで食べた。濃い紫色をした15cmくらいのエビ。「幻のブドウエビあります」という紙が張ってあるのだが、たくさん積んである。ただし、限られた季節しか入荷しないものだそうだ。食べてみたが、ねっとりとした粘りがあって、甘みがあり、とてもおいしいエビだった。刺身というものもあり、カウンターの隣で食べていたが、これは調理を見ていると、エビの下半身の皮をむいただけで出していた。頭の中まで食べられるらしい。

標津サーモン科学館

羅臼からは知床半島の太平洋側を走り、中標津へ。標津サーモン科学館に行ってみた。夏のハイシーズンだと思うのだが、駐車場はがらがら。大丈夫かな?

建物はイクラを模した飾りのついた、いかにもなもの。入り口からはいると、水族館のようになっている。

イトウ、アメマス、オショロコマ、サクラマスなどの生態が説明されている。鮭やイトウの生態は比較的簡単だが、サクラマスについては、かなり複雑。ヤマメと降海型のサクラマスがいるわけですが、メスは必ず海に降りてサクラマスになるとのこと。雄は降りたり降りなかったり、と聞いていたが、説明によると、川で育って、あまり大きくなれなかったものは、このままでは大きくなれない、ということで海に降りてサクラマスになるのだそうだ。サクラマスになったものも産卵のために川に戻ってくるが、サクラマスになったものは産卵を1回したら、雌雄問わず、一生が終了。川にだけいた雄のヤマメは小さいのだけど、何年か生きるらしい。人生いろいろ。

大型水槽にはイトウやチョウザメが飼われている。海水らしいが、イトウは大丈夫とのこと。ちょうどオキアミのような餌をやっていた。死んでいるのでふわふわと落ちてくるのだが、一応イトウは30cmくらいダッシュして食いついていた。

イトウはいろいろな大きさのものが飼われているが、悪食ということで、これまで開館後、7匹が窒息死しているそうだ。窒息死というのは、とても食べられないような大きさの魚に食いついて飲み込もうとしてのどに詰まって死ぬ、というもの。そんな魚いるんですね。

野付半島

野付半島は、砂嘴(さし)という変わった半島。先の方がやや広いのだが、途中はとても狭くて、道路一本の横はすぐに海になっている。先の方に行くと再び幅が広くなり、野付半島ネイチャーセンターというものがある。ここから30分ほどでトドワラに歩いていける。暑い。

トドワラというのは、原生林だったトドマツが、半島の沈下によって枯死してしまったもの。といってもかなり、腐植が進んで、ぽつぽつと切り株が残っているだけ。ちなみに、ネイチャーセンターまで行く前のところにナラワラと呼ばれるナラの木が枯死した場所がある。

中標津

中標津にはミルクロードと呼ばれる道がある。両側に牧場が広がり、さらに起伏はあるものの直線が続く。中標津空港の横を通り過ぎていくと、開陽台という場所がある。平野の中でちょっと小高くなっているところだが、牧場が広がる景色が一望でき、絶景。展望台の裏はキャンプ場になっているが、キャンプして星でも見たら、良いでしょうねえ。

裏摩周

中標津からは再び摩周湖に寄った。裏摩周と呼ばれる場所。やや雨でなんとなく霧。

夕食

ウトロに戻ってホテルでの夕食はちゃんちゃん焼き。鮭の半身とほっけだったが、かなり量が多く、全部食べたら苦しかった。従業員には、「きれいに食べましたね。」と驚かれた。

2006年8月8日(網走)

朝食

やはりホテルでバイキング。朝食後、ホテルをチェックアウト。

オホーツク流氷館

まずは網走まで走り、オホーツク流氷館に。小さな博物館だが、オホーツクにはかつて内地とは独立した独自の文化が栄えていたことや、流氷が押し寄せる訳が説明されている。この地域は流氷の南限であり、普通はここまでは来ない。ただし、オホーツク海は大陸や島などに囲まれて巨大な池のようになっているため、アムール川から流れ込む淡水によって塩分の濃度が下がり、凍結しやすくなるとのこと。

流氷は生態系とも結びついており、温暖化でだんだん期間が短くなっていることが問題になっている。最近ではなんと流氷が来なかった年があったが、その年はきわめて不漁だったとのこと。

オホーツク流氷館は天都山展望台ともなっており、網走の町並みが見える。曇っていてあまり眺望は良くなかったが、新しい網走刑務所が見える。

博物館網走監獄

オホーツク流氷館の近くに博物館網走監獄がある。網走監獄の施設の説明だけでなく、行刑の歴史、各国との比較などの資料もある。かつての網走監獄はかなり厳しい場所だったそうだが、刑務所という存在を比較的肯定的に説明しているように感じた。網走刑務所から移設された建物が配置されているのだが、中には人形が配置されて、当時の様子がわかりやすく説明されている。

女満別空港

女満別空港に戻って車を返し、女満別空港のレストランで海鮮丼を食べてから、おみやげを買い、JAL1186便で15:05に出発。台風が関東を直撃しており心配だったが、予測よりも早く上陸したようで、機材の到着遅れて出発が5分遅れたものの、問題なく帰ってくることができた。

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